『 聖域散歩 』
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「えいっ やーっ!!」
「とうっ!!」
「でやーっ!」
気持ちよい晴天
訓練に励む若者達の汗を飛ばすように 爽やかな風が吹き抜けていく
ギリシア―聖域
そこに 星矢と瞬は来ていた
「聖域に行きたいな」
事の始まりは 城戸邸庭園での 瞬のこの一言だった
「ん?どうしたんだよ 瞬 突然」
「う…ん 星矢 聖域は聖闘士の総本山だし・・・」
「と言っても ただの修行地だぜ?
用もないのにオレ達ブロンズが12宮に入れる訳じゃないしな」
「うん そうなんだけど・・・」
「12宮戦の時に 一応行ったじゃん?…よっと!」
星矢は 近くの大きな木の枝に飛びつきながら言った
瞬は木にぶら下がる星矢を見上げながら 答えた
「あの時は夢中で12宮を上って行っただけだったから・・・
それに12宮を見たいっていう訳じゃなくて聖域全体を見てみたいんだ」
「うーん 別に面白くないと思うけど
ま 瞬が行きたいってなら このオレ様が案内してやってもいいぜ?」
星矢は太い木の枝に腰掛けて 足を組みながら語尾を上げて言った
「あ!なんか星矢 得意気ー!いいよ別に 1人で行くからさ
星矢に話した僕がバカだったみたい じゃあね!」
瞬はそう言うと 星矢をおいて歩き出した
「わっ何だよ! 冗談だよ 瞬!冗談だってば!」
星矢は慌てて木の枝から飛び降りると 瞬に追いついて言い直した
「オレも聖域にご無沙汰してるし・・・ よし!二人で聖域に行こうぜ!!」
「プッ・・・アハハ!星矢ったら単純なんだからー」
「なにー?言ったなー!!」
・・・そんな訳で ついさっきこの聖域にやってきたのだ
辺りを見回すと あちらこちらで修行に励む子ども達がいる
「星矢 やっぱり聖域は違うね
ここは聖闘士中心の世界で 聖闘士の為の場所なんだね」
「そうだなあ 基本的に勝手に聖域の外に出ちゃいけないしなあ」
「ここにいる たくさんの子ども達は みんな聖闘士になることを目指しているんだよね
結構いっぱいいるんだなぁ」
「でも この中で本当に聖闘士になれる奴は一人か二人くらいしかいないんだぜ
途中で力尽きるか逃げ出すか・・・運良く生き残っても ほとんどが雑兵になっちまう・・・」
星矢はその目で見てきたせいか 少し寂しげな表情で答えた
「そっか そうだよね」
(・・・どの子もみんな必死にがんばっているのに・・・)
瞬は胸が締めつけられる思いがした
と その時1人の雑兵が 自分たちのところへ何か言いながら嬉しそうに近寄ってきた
「λΛΘΨωセイヤ!」
どうやらギリシア語らしい
星矢はなつかしそうに その雑兵と話し始めている
「星矢 その人は?」
「ωΦΠξ・・・ん? あっ ごめん瞬!コイツ こっちでの修行仲間でさ」
「へえーそうなんだ!こんにちは!」
瞬が挨拶すると その笑顔につられて雑兵の彼も少し照れながら 軽く瞬に挨拶をした
「あ じゃあ星矢! 僕 1人であっちの方見てくるからゆっくり話してて!」
「サンキュー瞬!じゃあ 後でな!」
「うん!」